青い空と凶兆 2010:09:02:17:25:58

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akatsuki09.gif

先日(3日前)のこと。

今思えば、何でそんなことになったのか分からないが、

私は父親の運転する車に二人で乗っていた。

車は田舎の畦道をひた走り、青い空と白い入道雲が、

何事もない八月の平穏な陽気を演出していた。

 

ある程度走ったところで、ふと上空に目を向けると、

何やらよく分からないものが目に入った。

鳥かなと思ったが、一瞬で違うことが分かる。

それは、マンガに出てくるような、もろベタな、

いわゆる円盤型の飛行物体だった。

 

そんなバカなと思い、改めてよく見てみると、やっぱりアレである。

「未確認飛行物体」

「ユーエフオー」

いわゆる「UFO」である。

 

横にいる父親はまだ気付いていない。

気付いているのは私だけだ。

「ちょちょ、あれUFOじゃない?」

慌てて父親にも確かめる。

 

「ほんなこつな(本当だね)・・・あれUFOごたるね(みたいだね)・・・」

「はー・・・UFOって、ほんなこつあったったいね(本当にあったんだね)・・・」

父親も驚いている。

 

良かった、見えていたのは私だけではなかったのだ。

勘違いではなかったのだ。

何より、この父親が認めているという事実が嬉しかった。

私の父親というのは、基本的にこういうオカルトチックなモノは信じない。

私自身割りとそうだが、特に父親は輪を掛けて信じない。

昔、近所でUFO騒動(UFO見たみたいなこと)があった時にも、

父親だけは信じなかった。

 

そんな父親が今、UFOの存在を認めている。

私は何故か勝ち誇った気分になった。

 

とは言え、今はそんなことに浸っている状況ではない。

実際そんなことを考えるまでもなく、状況が自然と思考を奪い去る。

それまで一応確認できたまでも、小さく空の彼方に浮かんでいた

円盤型の飛行物体だったが、気が付くといつの間にかそれは、

はっきりとその姿を捉えることができるほどにまで、大きくなっていた。

 

「ちょ、車止めて」

慌てて父親に言い、父親も即座に車を止める。

幸い、田舎の畦道なので、車など他に走ってもいないし、

道の真ん中だろうが、しばらく放置していても誰も困らない。

 

車から駆け降りて、上空を見上げる。

間違いない。

見間違えようもない。

作りものではない。

これはUFOだ。

確かにUFOだ。

 

・・・何ということだ。

今俺は凄い光景を目撃している。

夢じゃないよな、などと思いつつ、

現に父親も呆然とその光景を仰いでいることで、

これが現実だということを確認する。

胸が躍った。

とてつもなくワクワクした。

UFOだー。

UFOだー。

私は無意識にそう叫んでいた。

 

今にして思えば、写メなど撮っておけばよかったと思ったが、

その時はあまりの興奮に、ただ眺めるしか術がなかった。

正確に言うと、一瞬でも目を離したら、

その隙に何もかもが消えてしまいそうで、当時は一秒でも長く、

この摩訶不思議な空間と共存したかったのである。

 

至福の時間だった。

勿論、言葉には出来ない不思議な感情も含まれていたが、

基本的にその瞬間は、私にとって肯定以外の何物でもなかった。

よく分からなかったが、ただ楽しかった。

ただ嬉しかった。

ただ明るかった。

 

・・・その時までは。

 

UFOはさらにさらに大きくなっていった。

気が付くと、はっきりどころではない、UFOの細部・ディティールに至るまで、

鮮明に肉眼で捉えることができるようになっていた。

正確にはUFOは大きくなっていたわけではなかった。

少しづつUFOが接近してきていたのである。

 

それまで明るかった気持ちに、何やら凶兆が宿る。

気が付くと、私の視界の大部分はUFOの船底で覆われた。

全長何百メートルあるのか分からない、超巨大なゴキブリの裏側のような

ごちゃごちゃした真っ黒なメタルボディに、ランダムな間隔で

点灯を繰り返す不気味なレッドライト群。

それは八月の爽やかな青空との対比も相俟って、

より一層信じられないぐらいの破壊力を私に与えた。

 

気が付けば、私のワクワクした気持ちは、跡形も無く吹き飛んでいた。

それに覆い被さるように出てきたのは、純粋な恐怖心だった

 

言葉が出ない。

思考が止まる。

息が出来ない。

 

UFOはさらに大きさを増す。

自分が何かフワフワ浮いているような気がした。

もうUFOが近づいているのか、自分が吸い寄せられているのか、

よく分からなくなっていた。

そもそも余りにUFOが近すぎて、これがUFOなのかどうかも、

既に判断できなくなっていた。

少なくとも自分がUFOだと認識し、ほんの少し前までワクワクした姿・形は、

もはや視界のどこを探しても存在しなかった。

そこに在ったのは、ただ絶望的なほど巨大で武骨で無言の殺戮兵器だった。

 

「死ぬ」

−理屈抜きの「死」への恐怖−

 

父親はどうしたのだろう?

ふと頭によぎる。

関係ないのかもしれない。

どっちみち世界は滅ぶだろう。

思考は即座に掻き消される。

何も考えられない。

何も考えられない。

何も考えられない。

 

 

・・・私は空に放り投げられた。

 

 

 

 

ここで、ベッドから落ちて夢が覚めたわけです。

UFOってホントは怖いんですね。

もっと愉快な乗りものだと思ってました。

 

2010_09_02

Akt/SILENCE

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コメント(2)

僕もUFO関係の夢たまに見ますよ。
この前見た夢は、窓を開けたら光るUFOがいて
気がついたらUFOの中の手術台みたいなのに
寝かされていてグレイタイプの宇宙人に手術されてる
みたいな感じでした。

お久しぶりです、hiroさん。
ホントですかー、たぶんそれって、実際に何か埋め込まれたあと、
あたかも夢だったかの如く、記憶捏造されてるんですよー(笑)。
たぶん俺もそうですね。
されど心配ご無用。
その内、目からレーザービームが出せるようになると思います。

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